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工場物件は購入した方が良いのか?

タイ進出における必読の基本情報

工場物件は購入した方がお得。

 

タイに進出を考える上で、中小企業経営者は、賃貸でいくか、物件を購入するかを悩まれるケースが多いかと思うが、結論を先に言えば答えは一択で「購入」した方がお得である。

但し、このお得という意味は10年スパンでタイで操業をする事を考えた場合に賃料を計算すると「工場建設費用と10年間のレンタル費用が同じ」だからである。

勿論、賃貸・購入には各々メリット・デメリットがあるので、それらを記載したい。

 

賃貸物件のメリット

・タイでの商売が上手くいくとは限らない

・いつまでタイのビジネスが続くか分からない

・初期投資を抑えたい

・工場建設のリードタイムがない

・撤退が容易

 

賃貸物件のデメリット

・ 拡張性に乏しい

・ 内装工事・設備工事の費用が掛かる

・ 移転の際に、現状復帰が必要になる(掛けた設備工事費が無駄になる)

 

購入した場合、10年で元が取れるとは言え、初めてのタイで商売が上手くいくとは限らない。だから、大きなリスクは取れない。と、皆が考えるので、大手の貸工場のデベロッパーが、潤沢な工場供給を行うので、いろいろなロケーションでクオリティの高い物件がある。その為、最終的に多くの経営者は、「未開の地で大きなリスクが取れない」などを理由に、レンタル工場を選択する。

 

確かに、中小企業にとって、これらの利点は大きいものがあるが、10年以上、タイでビジネスを続ける覚悟があるのならば、工場・土地は購入した方が断然「得」である。その理由は、「工場建設費用と10年間のレンタル費用が同じ」だからである。(賃貸業も商売なので利益が出ないのであれば、そう言った商売も難しい。その損益分岐点が10年なのである。

さらに、土地価格が上がり続けているタイでは、キャピタルゲインも期待できる。数年前に購入したアマタシティ・チョンブリ工業団地の土地を売却して、アマタシティ・ラヨーン工業団地に移転した中小企業が、売却金額で新たに2倍の規模の土地を購入できたという実話もある。

タイ進出のフィジビリティスタディ(実行可能性調査)を実施する際には、「物件購入は10年で元が取れる可能性があること」を念頭において土地購入および自社工場の設立も考慮に入れるべきである。

 

レンタル工場の相場および注意点

レンタル工場の注意点について触れる。

まず設備面では、レンタル工場は「箱だけを貸している」という性質上、変圧器が設置されていないケースが少なからずあるということに注意したい。変圧器の設置は、それなりの金額がかかる。走行クレーンなども全ての企業が必要としている訳ではないので、通常はついていない。また、機械配線などの費用も別途掛かってくる。

その他、諸経費面では、税率12.5%のプロパティタックス(土地利用税)を借主が負担しなければいけないこと、賃料の内訳でサービス料には税率7%の付加価値税(VAT)がかかることなども、借りる前に知っておく必要がある。

また、レンタル工場は、退去時に現状復帰の費用が発生することも忘れてはいけない。

ちなみに、レンタル工場の賃料は、工業団地ごとの値段の差があまりない。具体例を挙げると、アマタシティ・チョンブリ工業団地とWHAイースタンシーボード工業団地では、土地の値段は倍近い差がついているが、レンタル工場の賃料はアマタが200~240バーツ/平方メートル(今年1月時点)、イースタンが200バーツ/平方メートル(同)とほぼ同額である。

その意味では、レンタル工場は、土地の値段が高い工業団地のものを選んだ方が「お得感」がありそうである。

 

以上、『工場物件は買った方が得』と言う事を論じてきたが、物件を買った翌日に「リーマンショック」が起こるかもしれない。2011年のアユタヤ周辺地域の大洪水は、殆どの会社がオールリスク保険などによりカバーされたが(※ 現在は、アユタヤ周辺地域の洪水での保険はカバーされなくなってしまった)、オールリスク保険では経済上の変事、例えば前述の「リーマンショック」ではカバーされないので、そう言ったリスクを考えると必ずしも購入が最良とは言えないが、その辺りのリスクを鑑みて、ご決断を頂くと良いと思われる。

日本も世界に稀なる地震大国であるが、自社物件の企業は大勢いる。それに比べればタイの方がリスクが低く感じるのは気の所為だろうか、、、、。

(2020年2月現在)