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近隣国の現状 - インドネシア ②

ASEAN近隣国の現状
インドネシアの製造業の現状2「労働運動が多発するインドネシア」
最終更新日 : 2014年02月
インドネシアに関しては、前回、インフラの問題を取り上げたが、インドネシアで製造業を始めるに当たっては、労働争議の問題も考えなくてはならない。実際、インドネシア現地では、労働争議頻発して、 つい2013年迄は、毎年、最低賃金が40%アップと言ったトンデモナイ状態が続いていた。例えば、月給1万円のワーカーが40%賃金アップすると1万4000円、その次の年は2万円、 その次の年は2万8000円と言った具合である。

「じゃかるた新聞」と言う現地の日本語新聞の担当者にお話を伺ったのだが、インドネシアではすでにタイに追いつけ・追い越せと邁進しており、 タイが最低賃金月額9,000バーツ(2万7,000円)であるならば、インドネシアもその水準になってもなんらおかしくない。と言うのが彼らの主張だそうだ。

また、工業団地に行くと、何時もどこかしらでプロ労働運動家が煽動し、デモやストライキが頻発している。実際、ヤマハミュージックさんのプロガドゥンの工業団地の工場では、酷いデモがあり、 1月後にまた同じ工業団地に行った所、1月前と同じようにデモを行っていた。どうやら、年1回の社員旅行で従業員が非常に心待ちにしていたのだが、 イザ当日になると手配していたバスが足らなくて社員旅行に行けなかった従業員がおり、当然、いけなかった従業員には金銭的な補償をしたのだが、それでは怒りが収まらずに、 各種待遇改善を求めてのデモが起こったと、同じ工業団地に入居している熱処理関係の企業の担当者さんが教えてくれた。確かに、年1回の社員旅行に行けなかった悔しさは分かるが、 それがどうして1ヶ月のデモに発展するのか、理解不能であるが、どうもそういうお国柄らしい。

先ほどの賃金上昇の話に戻るが、毎年、トンデモナイ賃上げが起こっている事に関して、やはり製造業でプレス加工の会社の日本人担当者に話を伺った所、その方は、在印尼20年との事だが、 最近の賃上げ要求は特に酷くて、その会社では従業員数2,200人を抱えているので40%の賃上げになってしまうと億円単位のコスト増に繋がってしまう、との事を仰っていた。 その為、そろそろ、インドネシアが潮時なのでは、と、製造業の仲間内ではそればかりが話題に上がって、撤退か移転か、と言った事も考えている企業が多くいるとの事。移転するとなると、 インドネシア第2の都市のスラバヤに移動するのか?と、話を振った所、確かにスラバヤに移れば、ワーカーのコストは抑えられるが、物流の悪さから、デリバリーに支障が出るのでインドネシア国内での移動は、 難しいし、また、機械などの設備を移動すると多額のコストが掛かるので、皆さん頭を悩ませている、との事であった。

2億4000万人の人口は魅力的であるが、これから、進出する場合にはよくよく注意が居つ様である。